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2013年5月

2013年5月10日 (金)

シュタイナー ・クヴァル (編) 『心理学とポストモダニズム―社会構成主義とナラティヴ・セラピーの研究』

 20世紀の最後の四半世紀以来,心理学でもポストモダン的アプローチが探究されてきました.

 その好例が,数年前に惜しまれつつ亡くなったシュタイナー ・クヴァル教授(オーフス大学,デンマーク)の編著『心理学とポストモダニズム:社会構成主義とナラティヴ・セラピーの研究 』です(Steiner Kvale (編), 永井務他 (訳), こうち書房,2001).

 クヴァル教授が1989年に主催したシンポジウムで発表された論文を集めた論文集です(原著はSage社より1992年に刊行).

 社会構成主義の提唱者であるケネス・ガーゲンやジョン・ショッター,ドナルド・ポルキンホーンらによるポストモダン心理学に関する興味深い論考が集められています.

 必ずしも訳文は読みやすくありませんが,この良書が翻訳されたことは幸いです.理論心理学や批判心理学に関心をもつ読者に多くの有意義な知見を与えてくれます.

 以下,目次をお示しします.

 精神探求学から文化様式の探求へ
 ポストモダン心理学にむけて
 ポストモダンの心理学―用語の矛盾か
 「触れること」―精神生活におけるポストモダン科学のメタ方法論
 ポストモダン的主体―横断的社会心理学に向って
 脱構築主義的心理学への招待
 ポストモダニズムと主観性
 科学と芸術に写ったポストモダン的自我心理学
 実践のポストモダン的認識論
 不信の叙事詩―現代精神分析のポストモダン的転換
 理論から実践へ、実践から理論へ―ポストモダン哲学は心理学に何を貢献したか
 ポストモダニズムと後期資本主義―用語と実践

 クヴァル教授の下記の著書はインタビューによる質的研究の方法論的問題を深く論じた教科書で,国際的に有名です.

 Steinar Kvale著 『InterViews: An Introduction to Qualitative Research Interviewing』 (Sage,1996)

 

 

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