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2014年8月

2014年8月27日 (水)

国際理論心理学会(ISTP)大会が来年6月に開催されます

 国際理論心理学会(International Society for Theoretical Psychology,ISTP)は2年に一度,大会を開催しています.
 第15回大会は2015年6月26日から30日まで,イギリスのコベントリー大学で開催されます.ISTPの創設30年を記念する学術会議です.

 大会のテーマは「抵抗と刷新(Resistance & Renewal)」です.
 1985年にプリマスで創設されたISTPは30年の間,多くの国や地域で活動する研究者に心理学の理論やメタ理論や心理学史・心理学の哲学を討議するフォーラムをもたらしました.これまでの成果を踏まえ,新たな展望を拓こうとしています.
 関心をお持ちの方は下記のウェブサイトをご覧ください.
  http://www.coventry.ac.uk/ISTP2015


 Theory & Psychology誌は理論心理学の専門的ジャーナルです.心理学の方法や理論や概念的基礎,心理学史などに関する挑戦的研究を掲載しています(http://tap.sagepub.com/).        

      Current Issue Cover

2014年8月20日 (水)

第2回国際批判社会心理学会議が2月にスペインで開催されます

 第2回国際批判社会心理学会議が,2015年2月12日から14日までバルセロナ自治大学(スペイン)で開催されます.
 この会議のテーマは「感情とエンボディメントとポリティクス」です.下記のサイトに詳細な情報が掲載されています.  
   http://jornades.uab.cat/psychosocial_criticality/en/content/welcome

 発表領域は次の8領域です.
    Embodied constitution of subjectivity
    Experiencies and representations of emotions
    Functional diversity and cripple theory
    LGTBI+ identities
    Pleasure, desire and sexual practices
    Queer Theory and Transfeminism
    Social regulation of sexual identities: Heteronormativity, homonationalism and necrepolitics,...
    Theoretical analysis of the sex/gender system (interseccionality, performativity, enactment,...)

 2013年2月に開催された第1回国際批判社会心理学会議のテーマは「Discourse, Materiality and Politics」でした.この会議のプログラムやアブストラクトなどを下記のサイトでみることができます.
  https://uab.academia.edu/CriticalSocialPsychology




2014年8月11日 (月)

アメリカ心理学会の新ジャーナル‘Qualitative Psychology’

 アメリカ心理学会の公式ジャーナルとして,新たに‘Qualitative Psychology’誌が創刊されました.

 このジャーナルは心理学の方法や理論や研究実践における革新的成果を公刊するフォーラムを目指しています(http://www.apa.org/pubs/journals/qua/).

  Cover of Qualitative Psychology (medium)

 第1号の目次を以下ににお示しします.

 2014  Volume 1, Issue 1 (Feb)
     1.Introduction to Qualitative Psychology.
        Josselson, Ruthellen
     2.Qualitative inquiry in the history of psychology.
          Wertz, Frederick J.
     3.Overcoming blindness: Some historical reflections on qualitative psychology.
           Leary, David E.
     4.Scientific reasoning as sense-making: Implications for qualitative inquiry.
           Osbeck, Lisa M.
     5.Markers of quality and best practices in qualitative inquiry: Introduction to the special section.
           Frost, David M.
     6.Pursuing excellence in qualitative inquiry.
          Gergen, Kenneth J.
     7.Enhancing groundedness in realist grounded theory research.
          Lo, Chih-shen Owen
     8.Best practices in psychobiographical research.
          Ponterotto, Joseph G.

  本号は創刊号です.編集責任者によるイントロダクションに続いて,心理学史の立場から質的心理学を論じた2本の論文が掲載されています.

 質的心理学を専門とするこのジャーナルの創刊は,理論心理学や批判心理学に携わる研究者にとって注目すべき出来事です.

 研究対象を詳細に観察して厚く記述する質的心理学は本来,どのような理論的立場から為されるものであれ,心理学研究の基礎となるものです.しかし行動主義から新行動主義を経て認知行動主義へと発展した今日,主流の座にある「科学(主義)的心理学」は量的方法を過度に重んじ,質的方法の意義を積極的に認めてきませんでした.

 第2次大戦後に世界の心理学を主導してきたアメリカ心理学会が質的心理学を専門とするジャーナルを創刊したことは,北米心理学が変わりつつあることを示す徴候のひとつと考えられます.

 「冒険的研究」や「論争を促す生成的研究」を重んじる批判心理学や理論心理学がかねて質的研究を重んじてきたことは,言うまでもありません.1980-90年代には質的方法を用いて研究を行いその成果を発表することが,既に量的方法に依拠する主流心理学への批判を含意していました.

 心理学史家の立場から振り返ると,1990年頃から各国で質的研究を行う心理学者が増え,今日に至る質的研究運動が始まった,とみることもできます.

 そのはしりとなったのがイアン・パーカーやエリカ・バーマンなど,イギリスの批判心理学者による『質的心理学研究法入門:リフレキシビティの視点』です.

 同書は研究の基礎となる質的心理学の哲学や倫理から始めて,主要な質的方法の詳細を実際の研究例をあげて説明し,レポートや論文の書き方や評価のポイントまで,丁寧に説明しています.英語やスペイン語や日本語で,多くの研究者と学生に読まれてきました.

 特に子ども用歯磨きチューブのパッケージをテキストとしてフーコー派ディスコース分析を説明する第6章は,ディスコース分析に関心をもつ研究者の間で広く知られています.

    P.バニスター,E.バーマン,I.パーカー,M.テイラー,C.ティンダール 著

   『質的心理学研究法入門:リフレキシビティの視点』 新曜社,2008.(原著は1994年刊行)

  

  目次
  1章 質的研究
  2章 観察
  3章 エスノグラフィー
  4章 インタビュー
  5章 パーソナル・コンストラクト・アプローチ
  6章 ディスコース分析
  7章 アクションリサーチ
  8章 フェミニスト研究
  9章 評価の問題
  10章 レポートの執筆

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