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2017年9月12日 (火)

ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ソーシャルサイコロジーの特集「急激な社会変動を理解する」

 ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ソーシャルサイコロジーが,特集「急激な社会変動を理解する:新しい視点と方法」に掲載する論文を募集しています.
 同誌編集委員会から,論文の投稿を促すメールが届きました.

 この特集では特に,下記の3つの主題に関する研究が重んじられています.
・分離主義的事象(ブレクジットやスコットランドの独立問題など)と個人の心理学的転換と社会変動
・極端へと振れること(polarization)をどう説明するか
・どのようにして個人の内部の変化が社会変動へと結びつくか


 同誌はバリバリの主流心理学(客観的な科学的心理学)のジャーナルです.
 しかし,ときに実生活における重要な社会的問題・課題を取り上げています.

 EUからのイギリスの離脱や移民の増加に伴う諸問題,スコットランドの独立問題,トランプ現象の影響など,イギリスの社会心理学者にとって本来,重要な問題です.
 科学的心理学は社会問題や政治的問題から距離をおくべきだ,こうした問題に係れば,客観性や価値中立性が侵されることになる,という声も聞こえそうです.

 しかし,社会と個人の心や生活に大きな影響を与えている社会的事象を社会心理学が研究しないなら,その方が不自然です.
 同誌がこうした特集を企画するのは,主流心理学の変化を示すよい兆しといえるでしょう.

 論文の投稿を検討している場合は今月末までに,500語のアブストラクトを編集委員会に提出する必要があります.アブストラクトが審査され,投稿の可否が決められます.
 詳細は下記のサイトをご参照ください.
  
「急激な社会変動を理解する:新しい視点と方法(Understanding rapid societal change: Emerging perspectives and methods)」
  (http://onlinelibrary.wiley.com/journal/10.1111/(ISSN)2044-8309)

 現在,進行している急激な社会の変化を主題として,どのような新しい視点と研究方法が提示されるか,ワクワクします.
 日本社会で生活を送る私たちも近年,政治経済や外交問題など,様々な変化を経験しています.
 近い将来,これらを対象として社会心理学や心理学の専門誌が特集号を企画するようになるでしょうか?



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