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2017年10月16日 (月)

トランプ米大統領のIQテスト:心理学化

 トランプ米大統領が「IQ」や「IQテスト」という言葉を用いた発言が,マスコミで報道されました.


 「トランプ氏,「IQ比べ」を提案 長官の「バカ」発言に」 朝日新聞電子版,10月11日

 記事によると,「米NBCは4日,(国防長官の)ティラーソン氏はイラン核合意などをめぐるトランプ氏の対応に不満を募らせ辞任を検討し,7月に国防総省内で開かれた会議ではトランプ氏を「バカ」と呼んで批判したと報じた.報道直後,ティラーソン氏は緊急会見を開いて辞任を否定したが,発言自体については明確に否定しなかった」とのことです.

 この報道に対して,トランプ米大統領は「もし本当にそう言ったのなら,知能指数(IQ)テストで比べなければ」と述べ,「米国のティラーソン国務長官がトランプ大統領を「バカ」と呼んだという報道を受けて,トランプ米大統領は10日配信の米経済誌フォーブスのインタビューで「IQ比べ」を提案し,トランプ氏は「どちらが勝つかはわかっている」と語り,自信を見せた」と朝日新聞が報じています.


 私が知る範囲では,昨年のアメリカ大統領選挙のときからトランプ氏がIQやIQテストを語った発言が報道されるのは,今回で3度目です.(当ブログで取り上げるのも3度目です.)
 IQやIQテストという用語とそれらが前提とする人間の「知能」に関する考えは,トランプ氏にとって自然化され,疑いの余地のない自明のものになっているようです.

 トランプ氏のように自分は「頭がいい」と考える人が,「頭が悪い」とされる人をこれらの言葉で非難したり侮蔑することは珍しくありません.

 心理学が生み出した用語や理論,検査,セラピーなどが人間を不幸にするために適用される例です.

 アメリカや日本など多くの国でトランプ氏の発言が報道されました.「IQ」や「IQテスト」という言葉と心観がマスコミ報道によっていっそう普及し浸透しています.
 心理学化が進行する事例です.






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