« 心理学における社会構成主義 | トップページ | 批判心理学セッションのプログラム:3月27日開催 »

2022年1月27日 (木)

2021年にアメリカ心理学会でもっとも注目を集めた10論文

 コロナ禍のなかで新しい生活様式が模索されるなど,さまざまな変化が起きた2021年.
 心理学者はどのような研究を行っていたのでしょうか?

 アメリカ心理学会(APA)が2021年に注目を集めた10本の論文を発表しました(https://www.apa.org/monitor/2022/01/top-journal-articles).
 APAが刊行する89のジャーナルに掲載された5000本以上の中から,最も多くダウンロードされた10本の論文は下記のとおりです.
 アメリカ心理学の動向や,社会における心理学への関心のあり方がうかがえます.

1.大学生が経験する新型コロナウィルスによる困難:学業と社会‐感情面への影響
著者:Tasso, A. F., Hisli Sahin, N., San Roman, G. J.
掲載誌:Psychological Trauma: Theory, Research, Practice, and Policy (Vol. 13, No. 1)

2.新型コロナウィルスと職場:その影響と課題,さらなる研究と行動のための洞察
著者:Kniffin, K. M., Narayanan, J., Anseel, F., Antonakis, J., Ashford, S. P., Bakker, A. B., Bamberger, P., Bapuji, H. Bhave, D. P., Choi, V. K., Creary, S. J., Demerouti, E., Flynn, F. J., Gelfand, M. J., Greer, L. L., Johns, G., Kesebir, S., Klein, P. G., Lee, S. Y., Ozcelik, H., Petriglieri, J. L., Rothbard, N. P., Rudolph, C. W., Shaw, J. D., Sirola, N., Wanberg, C. R., Whillans, A., Wilmot, M. P., Vugt, M.
掲載誌:American Psychologist (Vol. 76, No. 1)

3.外見とソーシャルメディアの詳細な検討:活動性,自己呈示と社会的比較,それらの感情的適応との関係
著者:Zimmer-Gembeck, M. J., Hawes, T., Pariz, J.
掲載誌:Psychology of Popular Media (Vol. 10, No. 1)

4.社会的孤立は新しいものではない:コロナ禍における大学生の心理学的悲嘆に関する長期的研究(以前からあったメンタルヘルスの問題との関係)
著者:Hamza, C. A., Ewing, L., Heath, N. L., Goldstein, A. L.
掲載誌:Canadian Psychology (Vol. 62, No. 1)

5.移行期の若者の対人的トラウマに対するトラウマに焦点をおく認知行動療法(TF-CBT)
著者:Peters, W., Rice, S., Cohen, J., Murray, L., Schley, C., Alvarez-Jimenez, M., Bendall, S.
掲載誌:Theory, Research, Practice, and Policy (Vol. 13, No. 3)

6.思春期の若者の日常生活におけるソーシャルメディアの利用と友人関係の親密さ:体験サンプリング研究
著者:Pouwels, J. L., Valkenburg, P. M., Beyens, I., van Driel, I. I., Keijsers, L.
掲載誌:Developmental Psychology (Vol. 57, No. 2)

7.インスタグラムはみな,影響をもつのか(Every (Insta)gram counts?):若者のボディイメージに対するインスタグラムの効果を検討するためにカルティベーション理論を適用する
著者:Stein, J.-P., Krause, E., Ohler, P.
掲載誌:Pouwels, J. L., Valkenburg, P. M., Beyens, I., van Driel, I. I., Keijsers, L.

8.非言語的な過重負担:ZOOM疲労の原因の理論的討議
著者:Bailenson, J. N.
掲載誌:Technology, Mind, and Behavior (Vol. 2, No. 1)

9.新型コロナウィルスが感染爆発する状況におけるコーピング:心の健康と生活の質との関係
著者:Shamblaw, A. L., Rumas, R. L., Best, M. W.
掲載誌:Canadian Psychology (Vol. 62, No. 1)

10.反応的動機づけ面接(responsive motivational interviewing)を,全般性不安障害の認知行動療法と統合する:対人的行動への直接,間接の効果
著者:Muir, H. J., Constantino, M. J., Coyne, A. E., Westra, H. A., Antony, M. M.
掲載誌:Journal of Psychotherapy Integration (Vol. 31, No. 1)

 メンタルヘルスに関する論文が多いことに,気づかれたでしょうか.
 APAでは臨床心理学や心理療法を職業として実践する「プロフェッショナル・サイコロジスト」が,大きな勢力をもっています.

 同じアメリカの心理学会でもAPS(Association for Psychological Science )では,より「科学的心理学研究」が重んじられています.APSの2021年のトップ10論文を,下記のサイトが紹介しています.
 Bilingual Children, Jealous Dogs, and Gender Stereotypes: Our Most Impactful Articles in 2021
(https://www.psychologicalscience.org/publications/observer/obsonline/top-10-2021.html)


 

 

« 心理学における社会構成主義 | トップページ | 批判心理学セッションのプログラム:3月27日開催 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 心理学における社会構成主義 | トップページ | 批判心理学セッションのプログラム:3月27日開催 »